いまやいつでもどこでも飲めるようになった缶コーヒー。
イロイロありすぎて消費者が選ぶのに困る一方で、ロングセラーが存在する理由とは!?
コンセプト だれに向けた商品なのかをしっかりとアピールするのが生きる残る道
1. 体験レポ
「あなたは缶コーヒーを飲みますか?」
ほとんどの女性は缶コーヒーは飲みませんので、男性向けの質問かもしれません。
実際、缶コーヒーの主な消費者は、30〜40代男性と言われています。
そして、飲む理由は「ちょっと一服」や「朝ご飯のパンと共に」などが主で、共通点はあまりないみたいです。
「実際どれくらいの本数が売れているのか?」
業界2位のサントリーBOSSシリーズを参考にすれば、年間で9,170万本も飲まれています!
現在では、業界1位のGEORGIAシリーズとのシェア差は数%なので、この2トップだけで年間約2億本はいきそうですね。
そうなると、缶コーヒー市場全体では、年間約3億本くらいはありそうですね。
そんな魅力的な市場ですから、メーカー同士の競争は極めて熾烈です。
いつも新製品が発売されては、消えていきますもんね…
ほとんど同じ味だし。
そんな中で、お客さまに選ばれ続け、生き残るヒミツはどこにあるのでしょうか?
■GEORGIA エメマン 日本コカコーラ - 1994年発売
業界1位 (市場シェア30%)
日本で一番売れている缶コーヒー。
でも、私はほとんど飲みません… なぜなら、「みんな向け」が代名詞の缶コーヒーですからね。
もちろん今回の体験レポのために飲んでみました。
感想としては、「素直に飲みやすい」というコトバがよく似合う味でした。
業界1位なので、「だれにでも飲みやすい」ものでなければなりませんので、これは当然かもしれませんね。
ということで、これといった選ぶ理由がないことから、今後ともあんまり買わないと思いますー
しかしながら、何かしらの理由でたくさんの方に選ばれているのは事実です。
なので、そのヒミツを調査すべく、「GEORGIAといえばあのCM!」というのを集めてみました。
「だれがGEORGIAのファンなのか?」を、学べる手がかりになるかと思います!
こちらの飯島直子さんの「ジョージアで、ひと休み」では、どんな時に飲んで欲しいかをアピールしています。
この時代にどれだけコンセプトという概念が浸透かつ活用されていたかは不明です。
ですが、この"一言"で、GEORGIAを飲む理由やメリットをばっちり伝えてますよねー
次のCMでは吉本の芸人さんが多数出演し、シリーズ化されました。
同じホワイトカラーの会社員でも、日常のいくつかのシーンを入れたことで、もっと身近に感じる方が増えたかもしれません。
これは、客層を広げようと目論んだことと推測できますよね。
最後の山田孝之さんのものは、前の2つに比べて、ホワイトカラー以外の方が多数演じられています。
これは、実際に飲んでいる方の調査をしたところ、2つのことが判明したからだと思います。
1. 実は多くのガテン系の方も飲んでいることが分かった
2. ホワイトカラー意外のシェアが弱いので、アピールしたかった
よくよく考えれば、ホワイトカラーの人のみが「缶コーヒーでいっぷく」するわけではないです。
今となっては当たり前なのですが、以前の2つのCMでは、そこに着目していませんでしたね。
改善といえば、改善。 マーケティングの地道な努力が大事ですねー
■ BOSS サントリー - 1992年発売
業界2位(市場シェア24%)
「パイプをくわえたオジサン」のロゴで認知されているブランド。
「ボスジャン」「ボス電」「あのCM」などで、いつもファン獲得に積極的な姿勢を見せていますよね。
個人的には、味よりもイメージ戦略が強いように思います。
今回の調査用に購入してみましたが、味が自分にはあんまり合わない気がしました。
以前も何度か購入したことありますが、「ほかに選択肢がないから」という消極的な理由でした。
上記のキャンペーンも、当時はあんまり興味湧きませんでしたねー (担当者さんごめんなさい)
そうなると、「コンセプトが明確でない」と言わざるを得ないのでしょうか?
業界第2位の戦略としては、なにがあるのでしょうか?
GEORGIA同様に、CMを観て研究してみましょうー
私が今でも忘れられないCMのうちの1つです。
「ガツンと言っちゃうよ〜」に合わせて、当時のアメリカ大統領のクリントンさんに「Tell me ガツン」と言わせるヤツです。
きっとBOSSの目指している豊酵のコクをCMでメッセージ化したものなんでしょうねー
トミーリージョーンズさん(1946年生まれ)というアメリカでは超有名な俳優さんがメインでCMに起用されています。
個人的な話しですが、彼がこのCMへ参加し続けてくださっていることには、本当に感謝しています。
しかも、2006年から!
宇宙人という名の外国人から見た日本の日常の光景をテーマにして、ときに愉快だったり、ときにどこかココロに じーんっ とくるものがあったりします。
そんなストーリー展開に、感情移入される方も多いのではないでしょうか?
実際、私はこのCMシリーズを見て、「あ〜、そうだよねー」と共感したり、ゲラゲラ笑ったり、涙が流れることもあります…
「あんなことがあっても、こんなことがあっても、最後はBOSSで締める」みたいなイメージを持って頂くのがきっと目論見なんでしょうね。
いずれにしれも、とてもインパクトの強いCMです。
このCMなら、BOSSシリーズのファンも増えますよねー
そもそも、人には一貫性の法則というのが働きますので。
シリーズをたくさん見たい方はコチラ
■ FIRE キリン (市場シェア7%)
意外にも業界5位のキリンFIRE。
「意外」というのは、テレビCMもわりと流れているし、自動販売機でもよく見かけるからです。
そして、私自身、缶コーヒー=FIREという主観もあります。
それにしても、業界5位とは… キリンも苦戦してますね。
私自身が「 なぜFIREを選ぶのか? 」の"なぞ解き"をしてみました。
1. 缶コーヒーの味の好みでは、少し苦みのあるほうが良いから(選ばない商品は味が合わない)
2. 微糖だから(糖尿病になりたくないので)
2. GEORGIA/BOSSともにCMは好きだが、あのCMでは「缶コーヒーでいっぷく」というイメージが植え付けられるだけに留まり、実際の購入には至らないから
3. 飲んだ自分の気持ちをあげることを目的とすると、FIREを選ぶ。 一番かっこいいから!
4. 個人的に業界最大手以外を応援したいから(業界最大手の例:ドコモ・カルビーなど)
CMには「熱い男、負けない男、挑戦する男」みたいなイメージの湧く方を多く起用されてますね。
それは、商品の特徴としている「直火焼き」と「ココロの火」を重ね合わせて伝えたいからなのでしょう。
こう思うと、個人的には、木村拓哉さん・岡田准一さんは少しイメージと違う気がします。
(別に彼らは悪くない)
ぜひ、上記の全員のCMを見比べて、どれが一番コンセプトと合致しているのか研究してみてくださいねー
まとめとして、私自身がFIREのファンとして今後とも期待する部分は…
・微糖であること
・男の秘めた想い/挑戦する姿勢を象徴するCM
・どこか尖った(とがった)感じのするパッケージデザイン(炎のロゴ・ダイヤモンドカット)
などになります。
ですので、これらを組み込んだコンセプトである限りは、私はFIREを選び続けるファンでいます。
尚、個人的には、江口洋介さんのCMシリーズがココロに響きます。
ストーリーで展開しているのもあって、同じ世代には共感する方が多いと思います。
あとは、やっぱりスティービーワンダーの曲でCMをつくって欲しいですー
KIRINという日本を代表する超一流企業でも、コンセプト x 世界観を大事にしていることと、その造り込みには苦戦することがよくわかりますので!
2. コンセプトoo9
「成功のヒミツをヒントに」
それでは今回も コンセプトoo9 を使って、先輩の成功のヒミツを一緒に探りましょう!
実際に行ったことがある人も、そうでない人も、ご自身でやってみてくださいねー
■お客さま
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■先輩
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■ライバル/代替
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■コンセプト
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3. まとめ〜感想~学び
■まとめ
・味と品質には、明確な差を感じられない
・競争が激しい市場では、品質以外のメリット(付加価値)も重要になる
・長く支持されるには、時代に合わせたコンセプトの微調整が必要
・カラダにはよくない飲み物なので、今後の先細りが懸念される
■感想
そもそも缶コーヒーって、なんなんでしょうね。
だって、絶対カラダに悪いのに、みんな飲むじゃないですか?
でも、オトコの美学なんでしょうねー
なにかにつけて飲むのが、男ゴコロを満たすのかもしれません。
最終的には、やはり人間心理ですね。
「なぜその缶コーヒーを選ぶのか?」に話しを戻しましょう。
もしかしたら、選ぶ側はそんなに考えていないのかもしれません。
ですので、今回調査した3つのロングセラーのコンセプトメッセージに着目してみましょう。
GEORGIA「世界は誰かの仕事でできている」(仕事の時のいっぷく)
BOSS「このろくでもない、すばらしき世界」(ほっと一息つくとき)
FIRE「心に、火を」(気合いを入れるとき)
これを思うと、メッセージの裏側に集約されていますよねー
あっ、最後になって気が付きました。
みんな英語の商品名だ。 カッコつけてんなぁ…
■学び